「ふわぁ～～……あ。
ヒシアマさんのおにぎりだ。
これいい鮭使ってて美味しいんだよね～」

「……ちょっと」

「あ、大丈夫大丈夫～。
これ作り置きしてくれてるやつだから。
キングの分もちょうどあるし……」

「～～っ！　そうじゃないわよっ！
早朝ランニングに行くんじゃなかったの！？
あなたったら着替えてもいなければ、
そんな……立ちながら水を――！」

「おおぉ～、元気だねぇ。
うんうんうん～、
いい感じに目が覚めてきたかも～。
ってわけで、着替えてきますよーっと」

「…………作り置きのおにぎり、
残ったら処分だろうなぁ」

（パタパタパタ……）

「…………。……。
……残すのは、よくないわよね」

…………もぐ。

「……！！　……おいしい。
…………そういえば
このところ、レースレースって……
ゆっくり食事を味わう時間も、
作れていなかったわね……」

「あ、水色の容器のやつ
うちの実家から届いたキュウリの浅漬けね。
それもご自由に～」

「んぐっ！？　……もうっ！！
わかったから早く着替えてきなさいよ！！」