うん……新しいドライヤー、いい感じ。
パサつかないで、ふわっと乾いてくみたい。
さすがエアグルーヴ先輩のおすすめ……
使った感想、今度伝えたいな。
……お礼にポプリも添えようかな？

これで頑張ってスタイリングしたら……
もしかして、アタシもブライトみたいな
ふわふわヘアスタイルになれたりする？

昔から思ってたけど、あれ、可愛いよね。
触り心地も、こう、わたがしみたいで……
ライアンも気づいたら撫でちゃってるって
前に話してたし。
……や、撫でられたいわけじゃないけど！
それはちょっと恥ずかしいけどっ。

「って、さすがに無理かな。アタシと
ブライトじゃ、髪質全然違うし――」

「ヘーイ、ドーベル！　そのドライヤー、
ニュー・アイテムですか？」

「わ、タイキ！　う、うん。
エアグルーヴ先輩からおすすめしてもらった
やつなんだけど……」

「オゥ、ソーグッド！
エアグルーヴもストレートサラサラ～、
ドーベルもストレートサラサラ～、
つまり、ベストマッチ！」

「乾かすの終わったら、あとでたくさん
サラサラ～させてくだサイ♪
楽しみにしてマス！！」

「えぇ……もう、なにそれ。
……いいけどね、少しなら」

本当にずーっとニコニコ待ってたタイキは、
アタシがいいよって言ったらすぐ
背中に飛びついて、手を伸ばしてきた。
でも、その勢いとは裏腹に、
アタシの髪を根本から毛先まで
すうっと撫でていく手つきは、
思っていたよりずっと丁寧で。

恥ずかしいからそろそろやめて、って
伝えられるまで、
ちょっと時間がかかってしまった。