体練は武の道のみならず全ての道に通ず。
駆走、舞踏、歌唱、加へて礼節。
ものみな体練なくして優なき也。

その日、難敵多きなか一等の栄を得たり。
舞台中央に立つは、
勝者の誉れにして責である。
心して当たるべきなり。

発声の基礎は腹にあり。
臍下丹田に力を籠め、
足裏をしかと地につけるべし。

観客、気炎万丈なる様に大いに沸き立つ。
終幕の折、両の拳を握りて大呼す。

「――押忍！！」

朋友・サクラチヨノオー、
驚きて身を竦むるも、
観客、演者、皆相好を崩したり。

しかるのち深き礼を経て舞台を後にす。