袖を大きく振って、半月を描くように……
で、灯りの位置はリハで確認したから、
差した紅が1番輝く角度で――

「うんうん、イイ感じ♪」

私が頭の中で描く、
1番だと思えるカワイイカレン。

そんな私を期待してくれて、
私は声をかけられ、今ここにいる。

いつもより艶やかなメイクなのは、
祭囃子に逸る気持ちと
みんなの期待に応えたい想いの表れ。

でも……ううん、だからもっともっと――

「みんなの期待を超える、
カワイイカレンを見せてあげるね！」