「小麦粉！！　バター！！　小麦粉ッ！！
バター！！　クリーム！！　クリーム！！」

レシピも、温度も、なんのその。
彼女の前では意味を成さない。
ただただ爆速、爆速だ。

「ちょわっ、クリームが目と鼻と口にッ！！
……んーッ、非常に美味しいですッ！！」

「それでは最後のトッピング！！！
桜、桜、桜ーーーーッッ！！！」

豪快に舞う花あらし。爆速で咲き乱れ、
キッチンはすっかり桜色。

「――ハイッ！！　できましたッ！！
これぞまさにバクシン的ッ！！
世界最速スイーツですッ！！」

満足そうに渡されれば、
つい笑顔で受け取ってしまう。

手にはクリーム、
服には桜がついてしまったが……
これもご愛嬌というやつだ。

「ハーッハッハッハ！！　その表情！！
ええ、ええ、わかりますとも！！
大満足というわけですねッ！！」