観客席から見下ろす大迫力のレース。
物凄いスピードでコースを泳ぐ
ウマ娘たち。その勢いに負けない、
ひと際大きい声援が会場に響き渡った。

「ナイスターン！　でも後続来てるわ！
このままだと……あっ！」

ひいきの選手でもいるのだろうか。
心底、残念そうにしている……
かと思いきや――

「グッジョブ！　見事な追い抜きよ！
トレーニングの成果が出ているわね！
そのままゴーよ！ゴー！！」

「えっ……！？　さっき先頭だった選手を
応援していたはずじゃ……？」

思わず口に出してしまった私に
彼女……シーキングザパールは
ニッコリとほほ笑んだ。

「レースとは、勝者と敗者を決めること。
その光と影は必ずついて回るわ」

「……でもね、全力でファイトする
姿には上も下も、勝ちも負けもない。
讃えられるべき輝きなの！」

「全てのウマ娘にエールを！
全てのウマ娘に喝采を！
私は、全てのウマ娘を応援し続けるわ！」

曇り知らずで、まるで真珠のような純真。
その光に吸い込まれ……私が映してきた
世界の色が変わっていった。