親愛なる相棒へ――
幼い頃、私と貴方はいつも一緒でしたね。
病気で走れなかった私を、
貴方は遠くへ運んでくれました。
自分の力でどこまでも行けるのが嬉しくて、
夢中でペダルをこぎ続けたあの頃……。

ある時は、走破不能と言われた高台に
一緒に挑戦しましたね。
永遠に続くと思われた坂道を、
何度も挫けそうになりながら登り切り、
見下ろした海の美しさといったら……。
あの経験に私は今も支えられています。

そして今日。仲間と努力し続けたことで、
美しい光景を見ることができました。
照明で照らされたステージ。
激しく振られるペンライト。
たくさんの笑顔と歓声。

かつて貴方と見た高台からの景色と
同じくらい眩しかった。どちらも、
私1人ではたどり着けなかった光景です。

私をここまで運んでくれたのは、
間違いなく貴方です。
また一緒に、見たことがない景色を求めて、
旅に出ましょう。