[Time of Departure]
マヤノトップガン

イベント

riceshower
調査中のイベントだよ

エピソード

[Time of Departure]
『クラシック三冠、最後を飾るレースが
――今、スタートしました!』

勢いよくゲートを飛び出したあの子を
前に見たのは、春のレースのことだった。

まるでレース全体を見渡しているかの
ような、的確な位置取り。
そして、仕掛けどころを見誤らない、
抜群の勝負勘。

しかし第3コーナー。
先頭に躍り出たその瞬間……
あの子の表情が曇っていくのが見えた。
すると、それまで見せていた輝きまで
陰っていき――

ゴール前、外から上がってきた子たちに
差し切られ、3着に終わってしまった。

集中しきれていなかったのだろうか?
ターフを後にするあの子の表情は
レースに勝てなかったことよりも、
他の何かに落胆しているように見えた。

――あの輝きは、見間違いだったのか?
そう思ったのを覚えている。

だけど今、最終コーナーを
回ってきたあの子は――

“アレは、誰――?”

センス溢れる走りは春に見た時と同じ。
しかし、表情がまるで違う。
先頭に躍り出たあの子の瞳は
キラキラと煌めいていた。
――ゴールより遥か先を見据えながら。

“なんて……綺麗な……”

最終直線、先頭を行くあの子の輝きが
春のように陰ることはなかった。
そして――

『――ゴールイン!
菊花賞を制したのはマヤノトップガン!
そして、歓喜の投げキッス!』

何があったんだろう?
あの子が過ごした夏の間に。
あの子の視線の先に。

「――マヤ、ぜんぶわかっちゃった!」

あの子の言う言葉の意味は、
何ひとつわからなかった。
それでも――

たった今叩き出されたレコード記録を
目にして思う。

あの子は、今まさに飛び立ったのだと。
Sponsored AD
よく使うツール / ページ
currenchan